クールな婚約者との恋愛攻防戦
「友人が先日結婚したんだけど、仕事が忙しかったり、俺自身も愛梨との見合いや同棲が始まったりでバタバタしていて、まだちゃんと祝ってやれてなかったんだ。結婚式も、本人達やその家族の意向で、親族だけで執り行っていたしな。
だから、このタイミングにはなったけど祝いも兼ねて食事でも一緒にどうかっていう話になったんだ」

「そっか。そのお友達の奥様も一緒に来るの?」

「友人は女の方。旦那の方とは今日が初対面だな」

「へえ……」


樹君、女性のお友達なんていたんだ……。あんまり、いなさそうなイメージだけどな。



……もしかして、昨夜の電話の相手? 旦那にバレてないかどうかって言っていたし……。


いや、こんな風にいちいち疑っていたらキリがない。



「分かった。遅くなるようなら連絡してね」


何とか笑顔を作りながらそう言うと、思いもよらない返事が返ってくる。



「そうだ。愛梨も一緒に行くか?」

「え、私も?」
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