ここはディストピア あなたは亡国の騎士 わたしは愛玩物
「ああ……。血を拭いてやったら、思ったより出たな。」
しれっと、イザヤは主語をぼかした。
確かに嘘はついてない。
けど、私の鼻血ではなく、シーシアの破瓜の血と、敢えて勘違いさせたのだろう。
……ドラコはすぐにティガから白い結婚だと聞くだろうけど……子供みたいなイケズしたかったのかなあ、イザヤ。
しばらくの沈黙のあと、ドラコの足音がまた聞こえた。
「待て待て。私も行こう。……ん?……腕、どうした?……血?」
イザヤの問いかけに、ドラコは小声で何か言って……2人で足早に行ってしまった。
……ドラコの腕の血って……リタの血だったりするのかな……。
なんとまあ……。
本来結婚して初夜を迎えるはずだったシーシアが未通で、リタと私がその夜に経験しちゃったわけだ。
思えば不思議な縁だわ。
**
あたりが完全に静寂につつまれたのを待って、私はのそりと船から桟橋へと上がった。
人目につかないよう、そそくさと館に入り、自分の部屋へ戻った。
寝直したいけど、既に明るくなってきた。
タイミングを逃しちゃいけない。
朝食の時間より前に、シーシアに会いに行かなきゃ。
ぴよぴよと、鳥の伊邪耶が鳴き始めた。
「おはよ。いざや。ちょっと早いけど、起きる?」
毛布を取ると、早速伊邪耶は鳥かごの中で羽ばたいて、出たい出たいとアピールした。
「そうね。先にいざやのご飯にしよっか。お水、替えよう。」
鳥かごから這い出て私の指から腕を伝い肩に落ち着いた伊邪耶をつれて、私は自室を出た。
新鮮な水をもらいにお台所を訪ねると、もう朝食の準備が始まっていた。
「おはようございます。お水、もらえますか?」
一応そう声をかけると、料理人さんたちが慌てて出てきてくれた。
「まいらさま!すみません!わざわざお越しくださるなんて。……今朝は、みんな遅いですね。もうそろそろ起きて来てくれると思うのですが……」
「あ、うん。そうよね。給仕くんたち、みんな遅くまで働いてたもんね。料理人さんたちも、おつかれさまです。お客様がお帰りになられたら、ゆっくりしてくださいね。……じゃあ、お水、いただきます。……あ、そうだ。シーシアに、朝のお茶、持って行ってあげたいんだけど。」
「え!?まいらさまが!?」
しれっと、イザヤは主語をぼかした。
確かに嘘はついてない。
けど、私の鼻血ではなく、シーシアの破瓜の血と、敢えて勘違いさせたのだろう。
……ドラコはすぐにティガから白い結婚だと聞くだろうけど……子供みたいなイケズしたかったのかなあ、イザヤ。
しばらくの沈黙のあと、ドラコの足音がまた聞こえた。
「待て待て。私も行こう。……ん?……腕、どうした?……血?」
イザヤの問いかけに、ドラコは小声で何か言って……2人で足早に行ってしまった。
……ドラコの腕の血って……リタの血だったりするのかな……。
なんとまあ……。
本来結婚して初夜を迎えるはずだったシーシアが未通で、リタと私がその夜に経験しちゃったわけだ。
思えば不思議な縁だわ。
**
あたりが完全に静寂につつまれたのを待って、私はのそりと船から桟橋へと上がった。
人目につかないよう、そそくさと館に入り、自分の部屋へ戻った。
寝直したいけど、既に明るくなってきた。
タイミングを逃しちゃいけない。
朝食の時間より前に、シーシアに会いに行かなきゃ。
ぴよぴよと、鳥の伊邪耶が鳴き始めた。
「おはよ。いざや。ちょっと早いけど、起きる?」
毛布を取ると、早速伊邪耶は鳥かごの中で羽ばたいて、出たい出たいとアピールした。
「そうね。先にいざやのご飯にしよっか。お水、替えよう。」
鳥かごから這い出て私の指から腕を伝い肩に落ち着いた伊邪耶をつれて、私は自室を出た。
新鮮な水をもらいにお台所を訪ねると、もう朝食の準備が始まっていた。
「おはようございます。お水、もらえますか?」
一応そう声をかけると、料理人さんたちが慌てて出てきてくれた。
「まいらさま!すみません!わざわざお越しくださるなんて。……今朝は、みんな遅いですね。もうそろそろ起きて来てくれると思うのですが……」
「あ、うん。そうよね。給仕くんたち、みんな遅くまで働いてたもんね。料理人さんたちも、おつかれさまです。お客様がお帰りになられたら、ゆっくりしてくださいね。……じゃあ、お水、いただきます。……あ、そうだ。シーシアに、朝のお茶、持って行ってあげたいんだけど。」
「え!?まいらさまが!?」