クールなオオカミの過剰な溺愛



「死ぬ、か」
「煌哉お願い…ダメ?」


思わず体を煌哉のほうへと向け、じっと見つめる。

すると諦めてくれたのか、顔を背けてため息を吐いた煌哉。


「あー、わかったから前向け。
ホームルーム中だろ」

「ありがとう煌哉…!」


助かった。
煌哉がいてくれるだけでも心がずっと軽くなる。

かろうじて元気を取り戻した私は、ホームルームが終わるなり課題プリントを取りに行った。


「夏原、お前が一番点数悪かったらしいな」
「うっ…」

「しっかり勉強しろよ?
来年は受験生って自覚を持つように」


そう言って担任から渡される課題プリントは、想像以上に重たくて。

ざっと確認しただけでも10枚はありそうだった。

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