クールなオオカミの過剰な溺愛
好きの自覚




定期試験が無事終わり、すべての科目の結果が返ってきたその日。


「ご、5位…!」

クラス順位と学年順位が書かれた紙を先生から渡され、目を輝かせる私。


だっていつもは良くて10位、悪くて20位のクラス順位。

なんと今回は5位だったのだ。
やればできる子、それが私のようだ。


「順位、見え見えだけど」
「あっ!見ないでよ…!」

その紙を高々と上げていたからだろう、後ろの席である煌哉にガッツリと見られてしまい。


慌てて紙を隠した。
だって煌哉は1位か2位が当たり前である。

学年順位もきっと1桁だ。


「なんでだよ。
千紗、すっげぇ頑張ってんじゃん」

「……煌哉には負けるよ」
「そりゃ俺が教えてる側だからな」

うーん、褒めてから落とすこの人はどういう神経をしているのだろう。

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