女40歳、お嫁にもらってもらいます!
13
「係長。」

私は全員が帰ったのを見計らってから戸締り等を済ませると、会社を出た。

「あら、大野くん。」

思わず主任でなくて良かったと思ってしまった私。

「あれ?」

どうしたんだろう…、私。

「どうしました?かか…、いや郁美。」

私の気持ちが、つい口に出てしまったようだ。

「ううん、何でもない。大野くんこそ、帰ったんじゃなかったの?」

「夕飯にでも行きませんか?」

何気なくそんな事を言う大野くんにフッと気が緩む。

「早く帰って寝ないと、朝はすぐ来るわよ。」

私は笑ってあしらう。

「さっき部長からサンドイッチを頂いたから、私は遠慮するわ。じゃあ、ここで。」

< 91 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop