ポルターガイスト~封じられた扉~
透明なビニール袋に可愛いイラストが入っていたり、小さな箱にリボンがついていたりする。


3人分用意すればよかっただけなのに、ついつい何種類も買って来てしまった。


「すご~い! これ可愛いね!」


愛奈はさっそくリボンのついた箱を手に取っている。


「これで準備は万端だね。クッキーミックスだから失敗する心配もないし」


亜美はそう言いながら、テーブルの下からボールと泡だて器を取り出した。


バターや卵は昨日の内に持って来て冷蔵庫に保管させてもらっていた。


放課後に料理部でもないあたしたち3人がこうして調理室を利用させてもらえているのは、家庭科の先生のお蔭だった。


「さて、じゃあ作りはじめようか」


しっかりと手を洗って準備が整った時だった。


タイミングを見計らったように調理室のドアが開いて3人の男子生徒たちが入って来た。


とっさにテーブルの上のものを隠そうかと思ったが、ズラリと並んだ材料を隠す暇なんてなかった。
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