篠田くんの取扱説明書
それで私もボコボコにされてしまったんだけど。
「あの男の子は…ボロボロでした。
先輩のせいであんな目にあったというのなら…
私は、先輩が許せません」
「……ごめん…」
「私じゃなくて、あの男の子に言ってください」
怒ったように言うと
先輩が「うん」と反省したように返事をした。
「桃奈ちゃんにも、怖い思いをさせてしまった。
本当にごめんなさい」
「それは…いいんです。
結局私は、なにも出来なかったから…」
「……え?」
「情けないですよね。
自分からケンカ売って、ピアスを取り返して
傷だらけだった男の子に、絆創膏を貼ろうとしたんですが…
手が、震えてしまって…。
貼ってあげられなくて。
絆創膏を入れてた缶ケースごと、渡したんです。
……バカですよね。
ボロボロだったから、男の子が自分で貼れるわけないのに。
すごく情けなくて…忘れたかった」