篠田くんの取扱説明書
先輩が秋穂に顔を寄せて、
びっくりして固まっている秋穂の頰をむにゅ、とつまんで。
「秋穂、好きだよ」
「ひ…ひゃふん…っ♡」
先輩の甘い言葉に、秋穂がもう失神寸前…。
それを見ていた私も、ドキドキしてしまった。
「……大雅くん…おそろしい」
「ほんとに…あれはドキドキだね…!」
頰に手を当てて言うと、
「桃奈」
仁くんが少し不機嫌そうな顔をして私を呼んだ。
「大雅くんにうっとりしてんな」
「してないよ!?」
「…あーもう」