篠田くんの取扱説明書



先輩が秋穂に顔を寄せて、



びっくりして固まっている秋穂の頰をむにゅ、とつまんで。




「秋穂、好きだよ」



「ひ…ひゃふん…っ♡」




先輩の甘い言葉に、秋穂がもう失神寸前…。



それを見ていた私も、ドキドキしてしまった。




「……大雅くん…おそろしい」



「ほんとに…あれはドキドキだね…!」




頰に手を当てて言うと、




「桃奈」




仁くんが少し不機嫌そうな顔をして私を呼んだ。




「大雅くんにうっとりしてんな」



「してないよ!?」



「…あーもう」





< 271 / 287 >

この作品をシェア

pagetop