篠田くんの取扱説明書
ひぃーーっ!殴られる!!
「……っ」
一歩、後ずさる。

それでも、目の前にいる篠田くんは動こうとしない。
それどころか、
篠田くんはビックリしたように目を見開いて、私を見ていた。
「……お前…一体…?」
「……っ、え?」
ビクビクと肩を縮ませている私を見て、篠田くんが『あぁ』と呟いた。
「存在感がなかっただけか…。
地味すぎて」
「………」
「じゃなきゃ、気付かないはずがない」
はぁ、と1つため息をついて、篠田くんはスタスタと歩いて行ってしまった。
……な、
なんだったんだ、今の…。