小さいけど、男だよ?
「わあ……!」

クマのぬいぐるみが置かれた可愛らしい部屋だ。

「えへへ。ひよりのためにいろいろ用意したんだよ〜」

「えっ、そうなの?」

「うん!」

その刹那、ひよりの体がベッドに倒され、目の前にアスターの顔が現れる。その顔は昼間見た男性の顔だった。

「アスター?」

ひよりは起き上がろうとするが、アスターに両手首を押さえられているため、起き上がれない。アスターの力は思っていたよりも強く、ひよりは戸惑った。

「ねえ、どいて……んんッ!」

いきなりアスターにキスをされ、ひよりは驚く。しかし、ひよりが逃げようとしてもアスターはしっかりと捕まえていた。

キスを何度も繰り返し、ゼエハアと肩で息をするひよりにアスターが黒い笑みを浮かべる。

「俺のこと、いつも「可愛い」ってひよりは言うけど、俺だってちゃんと男なんだからね?ひよりに触りたくて家に泊めるんだから……」

そう言い、アスターはひよりの服に手をかける。

「ねえ、俺だって小さいけど男だよ?」

こうして、二人の長い夜が始まった。
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