アナタと、キスと、銃声と。
正直言って、美華さんのこと嫌い。
あからさまにわたしから翔平ちゃんを遠ざけようとしてて。
目の前にある翔平ちゃんが作ったご飯の味がしない…。
…美味しくない。
わたしはお箸を置いて席を立った。
「梨瑚、もう食べないのか?」
「…要らない」
お父さんに声をかけられたけど、素っ気なく返事を返す。
その足で玄関へと向かう。
靴を履いているとドタバタと足音が聞こえる。
「梨瑚さん、どこへ?」
「ちょっとそこまで」
「危ないですよこんな夜に」
亮くんが心配してくれる後ろで、翔平ちゃんがわたしを見ていた。
その隣にはやっぱり美華さんがいて。
翔平ちゃんの腕をしっかり掴んでいた。
…やめてよ。
翔平ちゃんに触らないで。
翔平ちゃんも、なんで触らせるの。
好きだって…言ってくれたくせに。