アナタと、キスと、銃声と。
「白鷺、学校で携帯出しちゃいかんと何回注意してるんだ」
次の授業の担当でわたしのクラス1年5組の担任、国木田(クニキダ)先生が立っていた。
わたしのスマホをゆらゆら揺らす。
「返してよ!」
「ダメだ、学校で扱ってたら没収って何度もいってるし、今までも何度も没収してる」
「でも、連絡が」
「言い訳にならない、放課後取りに来なさい」
そう言ってわたしの携帯を持ったまま、授業始めるぞーと声を上げて教卓へと行ってしまった。
先生の声にクラスメイト達が慌ただしく、自分の席へと座る。
…また取られた…。
入学してまだ間もないけど、わたしはよく国木田先生に携帯を没収されていた。
いつ連絡が来るかわかんないし…。
連絡があれば安心するし、翔平ちゃんやお父さんの状況もわかるのに…。
わたしのことを心配そうに見つめる、日向ちゃんこと、ひーちゃん以外はわたしの家のことを知らないから仕方ないんだけど。