真 実

警察での内容は、
椿には話さなかった。
不安しかあたえないから。

だが、一人で出歩く事は、
しばらくしないように伝えていた。

それから四十九日法要まで
椿は喪服で過ごしながら
俺の指示通り
一人では外に出ることは
なかった。

警察が捜査をしているからか
新たな事件はおきなかったが
捜査は、難航しているようだった。

お祖父様の容態も落ち着いて
きたが、退院するまでには
至らなかった。

椿は、心配していたが
お祖父様より作業の依頼をされて
お祖父様の元で働いている
職人さん達と忙しそうにしていた。

それから、直ぐに
椿の妊娠が発覚して

俺達は、抱き合って喜び合い
お祖父様も涙を流して
喜んでくれた。

益々、春樹は椿を溺愛し
お祖父様の病院へは
産婦人科への健診後
春樹が必ず
連れていってくれた。

椿は、仕事を見るだけで
全てを職人さん達に任せた。
春樹もお祖父様も心配するから

里は、いっそう椿の身の回りの
世話に力を入れ
懸命に椿に尽くした。
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