真 実

俺が、
「隼人、好きなようにやれ。
何かあれば、俺が全力で補佐する。」
と、言うと
隼人は、嬉しそうに笑っていた。

それからは、
お互いの財閥を護りながら
月に一度は、合同会議を
開催していた。

俺にも隼人にも
男性秘書がついたが
まだまだ、役にはたたず
必死に勉強をさせている。

まぁ、根性はあるから
時間の問題であろう。

帰宅すると
「パパっ、お帰りなさい。」
「春樹、お疲れ様、お帰りなさい。」
と、星樹と椿。

星樹の頭を撫でて
椿に笑いかけて
手を洗い部屋着に着替えて
ダイニングに向かう

ダイニングには、温かな食事が
用意されていて
星樹を抱き上げてから
ソファーにすわる。
「星樹、今日はどうだった?」
「今日はね・・・・・・・・」
と、星樹の話を聞いてから
食事をとる。

「椿、ありがとう。
美味しかった。」
と、言うと椿は微笑みながら
食器を片付ける。

俺は、椿を後ろから抱き締めながら
「風呂に入ってくるな。」
と、言って星樹を連れていく。

星樹は、お風呂をでると
椿と着替えをして
本を読んでもらう。

星樹が寝つくまでと椿が
お風呂を済ませるまで
春樹は、仕事をする。
仕事と言っても
メールの確認と隼人への連絡だが。

椿が、春樹に飲み物を運んでくると
手を止めて椿と話をする。

変わった事はないか、とか
お祖父様のこと、とか
困っていること、やりたいことが
ないか、とか
できるだけ、椿のやりたいように
やらせてあげたいと思っている。

椿は、
「うふふっ、好きなように
毎日やらせてもらっているから
大丈夫だよ。
ありがとう、春樹。
星樹の保育園への送迎も
楽しいし、毎日充実してるよ。」
「そうか、それは良かった。
なぁ、椿。
身体もだけど、落ち着いてきているなら
二人目をつくらないか?」
「クスクスっ、難しい顔をしているから
何を話すのかと心配していたの。
私も、欲しい。
星樹の弟か妹。
本当は、星樹の赤ちゃんの時に
一緒に過ごせなかった私が
願ってはいけないかな
と、思っていたの。」
「良かった。星樹とまだいたいと
思っているかな
と、考えていたから。」
「もちろん、星樹は大切で大事に
私の息子よ。」
「わかってるよ。
じゃ、行こうか?」
「ん?どこに?」
「子作りにだよ。」
と、言われて椿は、抱き上げられて
「きゃっ」
「しっかり捕まれ。」
と、言われて
「もぅ・・・・」
と、春樹の首に腕を回しながら
「春樹、好きだよ。」
と、告げると
春樹は、赤くなり
「ばっ、参るな・・椿には。」
と、言われて
ベッドにそっと下ろされた。
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