番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
23話「ホタル」





   23話「ホタル」





   ☆☆☆




 昔の事を話してれている蛍は、とても辛そうだった。けれど、遥斗の事との楽しい思い出を語る時の彼の表情はイキイキしていた。


 「結局、俺が監視カメラの映像も消したのは、悲しみながらも自分の身を守るためだったんだ。あの時はパニックになってて、何をすればいいかわからなかったのに……」
 「………蛍くんは、遥斗が死んだの自分のせいだって思ってるんだね」
 「当たり前だろ?俺が調べなければ、遥斗さんが警察だと檜山が知ることはなかった。それに、後から考えれば檜山が探っている事を遥斗さんに伝えて、この組織のスパイをやめた方がいいと忠告も出来たんだ。………俺が全部間違ってた」


 花霞は、その言葉を聞いて蛍は椋と似ているなと思った。
 自分のせいで大切な人を失い、悲しみに暮れる姿が重なって見えた。
 フッと椋がどんな想いで話しを聞いていたのか、花霞は彼を見上げる。椋は無表情のまま、蛍を見ていた。


 「遥斗さんはこの組織から出ることを願ってくれたけど、俺はそれを止めた。俺にはやらなきゃいけない事が出来たから」
 「………それが、復讐?」
 「あぁ、そうだ。檜山を殺すには同じ組織にいる方が動きやすいからな。俺は遥斗さんと仲が良かった事から怪しまれたけど、PCシステムを管理したりハッキング出来るのが俺しかいなかったから、檜山は俺を野放しにしていたよ。まぁ、監視はされてたけど、1年も経つ頃にはそれもなくなった。そこから、檜山を殺す計画を立てた」
 

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