番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「………椋さん。蛍くんの自首を勧めてくれてありがとう」
「俺は非番だったから、仕方がなくだよ」
「………私にはそんな嘘言わなくていいんだよ。………蛍くんもわかってたと思うし」
「…………」
椋は非番だったのは本当かもしれない。けれど、だからと言って麻薬組織の1人で、しかも後輩を、怪我させた男を逮捕しないというのは、本来ならありえない事のはずだった。
けれど、椋は蛍に自首を促した。
それは、蛍の罪が少しでも軽くなるようにとの配慮だと花霞はすぐにわかった。
そんな彼の優しさに花霞は感謝していた。
水の音だけが響く。
2人は向かい合ったまま、何もしゃべらなかった。花霞は俯き、じっと泡を見つめる。
「………ねぇ、椋さん…………私、蛍くんにした事、間違ってたかな………もっと、彼を傷つけない方法があったかな………」
「花霞ちゃん………」
花霞は我慢していた気持ちが一気に押し寄せてきた。
ずっと考えていた。
蛍が何を思って自分に近づいてきたのか。
彼が何に苦しんでいるのか。どうして、誰かを傷つけることをしていたのか。
遥斗との関係は何なのか。