愛さずにはいられない
「でも、次のもすてがたいな・・・」
奈央の言葉に仁が「どっちも着たらいいよ」と提案する。
「チャペルの時と披露宴の時、2パターンでもいいじゃん。」
「いやだよ。ウェディングドレスは一つがいい。」
「そうか?」
仁の言葉に奈央は少し微笑を膨らませる。
「じゃあ次、着てみて。」
「うん・・・」
仁は奈央の扱いがうまい。奈央自身、そう自覚していた。
奈央が怒りそうになる時の機嫌の取り方を知っている。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい」
奈央も仁のいつもの笑顔を見せられると弱い。

仁は疲れも見せずに奈央のドレスを真剣に一緒に考えてくれた。
「じゃぁ、次は仁の番だね。時間かかっちゃった。ごめんね。」
「いいよ。俺は。奈央が決めたドレスにあうものならなんだって。」
「ダメ。」
奈央の言葉に仁は困ったように笑い、自分よりも一生懸命にドレスを選ぶ奈央にやがて自分の姿よりも気をとられた。
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