BITTER LOVE

脅威






放課後先輩と一緒に帰っていると




前から数人の男の子がこっちに向かって歩いてくるのが見えた




そしてどんどん近づいてきて、私と先輩の目の前に立った…





「城之内廉ってお前?」




先頭に立っている男の子がそう言う




「そうだけど?」




先輩がそう言うと、その人がいきなり先輩に殴りかかってきた




「きゃー、」




思わず叫び声が漏れる




先輩が素早くその人を避けると、めげずにまた殴りかかってくる




どうしよ…




「杏ちゃん、俺が合図したら一緒に走るよ?」




そう言うと先輩はその人を殴り返して、一瞬男の子達の動きを止めた




「行こ!!!」




私の手を掴んで走り出す




どのくらい走っただろう…




元来た道を引き返して静まり返った学校の校舎の中にもう一度入った




走ってる途中頭の中に兄が浮かんで、消そうとしても何度も何度もまた浮かんできて…




「…っはあ、さすがに学校の中まで追いかけて来ないよな、ったく誰だよあいつら…」




「……っ…」




「杏ちゃん…?」




どうしよう…




震えが止まらない…




何も考えられなくてその場にしゃがみこんでしまった



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