Cassis Orange〜世界で一番愛したキミヘ〜
「俺と、付き合ってください」


息を吸ったまま、固まる私
言おうと思ってた言葉が行き場をなくす

代わりに…

「…」
「…」


涼しい風が髪を揺らす

どうしよう…
こんな定番だけど真剣な告白、初めて

戸惑う私

でも彼の目にはしっかりと私が映っていた

真剣な目…
嘘や冗談には見えなくて
それを証明するような沈黙

信じて…いいですか?


「…はい…」

とても小さな声
でも、この路地で彼の耳に届くには充分だった

照れ隠しに笑った顔は彼の胸によって隠された

なんだ、引き出す必要なんてなかった


「なんでわかったの?私から引き出そうと思ったのに…」

「いや、なんでってなにもわかんなかったよ」


伝えようとしてくれてた

はっきり、言ってくれた

草食男子が多い今の時代、女から引き出さないと言ってくれない人が多い
だからね、りくもその1人かなーって思った
だから引き出そうとしたんだよ

りくは私を強く、とても力強く抱きしめた
ホッとした顔が一瞬見えたから、安心したのかなって可愛く思えた


初めて一緒に撮ったプリクラ、初めて一緒に撮った写メ、初めてあなたと抱きしめ合ったのは、出会った日でした

出会って、‪3時‬間くらい?
誰がこんな展開を予想しただろうか


軽いって思うかな?

びっくりするかな?

でも、照れるけど、なんかね、そのタイミングを逃しては行けないと強く思った
直感を信じてみたくなったんだ
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