誰かの武器としての生き方
特殊警察には全ての人間がなれるわけではない。厳しい試験の上、合格した者だけがその黒い制服を身に付けることができるのだ。

これは、そんな特殊警察官として働く少女の物語ーーー。



どこか不気味な満月の夜。荒れ果てた山奥の神社のある場所で、闇に紛れるように黒い制服を身につけた少女が一人。左胸には多くの勲章が花を咲かせ、彼女が強いことを示している。

少女は肩ほどの長さの黒髪を揺らし、闇の中をじっと睨みつける。明かりがなくても少女は暗闇の中がよく見える。逆に明かりをつけてしまうと、敵に自分の居場所を教えてしまう。

ガサッと草むらが音を立て、少女に何者かが襲いかかろうとした。ボロボロのみすぼらしい着物を着た恐ろしい形相の老婆だ。

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

寄生を上げながら、老婆は少女に飛びかかってくる。黒く変色した爪を少女は避けて懐からナイフを取り出す。そして、素早く老婆を斬りつけた。

「ぎゃあぁぁぁぁ!!」
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