誰かの武器としての生き方
涙で目を潤ませたチハヤがミカサに駆け寄った。

「大丈夫なの?あんな……あんなことをされて……」

震えるチハヤに、ミカサは「大丈夫」と微笑んだ。

「私、少しだけわかった。チハヤとハクサ隊長の言っていたことが……」

ミカサがそう言うと、チハヤは優しく微笑む。

「私、あなたが今までしてきたことの全てを許すことはできない。だって、私は妖怪に家族を奪われたけれど、妖怪に助けてもらったことが何度もあるから。……でも、私たちは過去に生きているわけじゃない。未来を生きているの。だから、助けてくれてありがとう」

「……私の方こそ、いつもそばにいてくれてありがとう。生かし方を教えてくれて、本当にありがとう」

ミカサとチハヤの目から同時に涙がこぼれる。二人の手は、しっかりと握られていた。
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