四ツ葉ノ言葉【微BL】【短編】
「来栖に場所聞いとけばよかった。。。」
くそっ!と自動販売機の横にあるゴミ箱を蹴ると、倒れたゴミ箱から缶や、ゴミが床に散らばる。

「ちょ、汚ぇな。飲みかけのやつがかかっただろうが。誰だよ。」
と声がし、前を向くと目元にホクロがある男が居た。 琥汰は、ピキッとこめかみに青筋を立てると男に蹴りをくらわす。
「あ?」
と、男は片手で琥汰の蹴りを受け止めると、
「危ねぇなー。今日コンタクトじゃないからやめてほしいー」 
と、気が抜けた声がしたと思ったら、琥汰の身体が宙を舞い、逆さになり気づいたら床に転がされていた。
!!?
一瞬何が起こったか理解出来ていない様子の琥汰

「あれ?君は確か転入生の宍九だっけ?駄目だよ。誰構わず蹴りかかったら。」
と言うと去って行く。
「待てよ!」
琥汰は起き上がり呼び止める。
「俺は、お前を探してたんだ!鼓知紫雨!」
「俺の名前知ってるんだね。」
木の抜けた声に何か違和感を覚える琥汰だが紫雨に問う。

「1年前、宍九叶海にクスリの売買をさせ、都合が悪くなって叶海を殺そうとしただろ?」

紫雨は目を細めると顎に手を置く。
「悪いけど、俺はそんな女の子は知らない。」
「とぼけるのか?1年前、俺はお前に会ってる。叶海を助けに行った時俺はお前に返り討ちにあった。」

琥汰は眉間にシワを寄せ紫雨をにらみあげる。
静まり返ったその場は、自動販売機の低い音だけが虚しく鳴り響く。
「俺は君の事は知らないし。会ったこともない。」

紫雨はそう言うとその場を去ろうと歩き始める。
「待って、言ってんだろ!!」
琥汰は拳を握り紫雨に殴りかかるがまたもや、身体が宙に浮き床に叩きつけられる。
「がはっ!」
背中の衝撃で口から胃液が吹き出る。
紫雨は、振り向くことなくその場から消えた。
「痛っぅ、、待てよ、この、、ごめん、姉貴…」
目の前が見えにくくなり、腕を伸ばした先に人影が見えた。
「こーちゃ…ん…大丈夫…か?」
とあまり聞こえない。
「むら、やん…」
琥汰の意識はそこで途絶えた。

       2話天下の風高番長(完)
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