マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
甘い低音に、背筋にぞくぞくとした痺れが走る。

瞳を細めて私を見る高柳さんからは恐ろしいほどの色香が溢れ出ていて、これ以上まともにそれを喰らったら再起不能な予感がする。

「分かったか?」

慌てて小刻みに頭を振って肯定すると、もう一度満足そうに微笑んだ。

(笑ってる……)

赤くなった顔を隠すのも忘れて、その微笑みに見惚れてしまう。

「分かったなら寝るぞ」

「え?」

「まだ夜中だ」

「いや、あの…そうではなくて……」

(このまま朝まで一緒に!?)と焦る私に、高柳さんは坦々と言い聞かせる。

「今夜はひどく冷える。俺の部屋は暖房を入れていないから、今から自分の部屋で布団を敷き直している間に風邪を引くだろう」

カミナリでパニックになった私のせいで、今この状況がある。だからもしこの後自分の部屋に戻った彼が風邪を引いたら、それは私のせいだ。

(でも、この状態で朝までなんて…!)

それならいっそ私がソファーに行こうか。いや、最初の時みたいに「据え膳を――」とか言われそう――
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