Goodbye, Love Junky!!
初対面にも関わらず興味津々といった風に訊いてくる彼女の腕の中には、分厚い参考書が2冊閉じ込められていた。
こんな真面目ちゃんに言えるわけない。
人の熱を求めに、なんて。
「ちょっと散歩」
「へぇ、大変だね。寒い中ご苦労様」
「つーかお前、さっき俺のこと不良少年って言った?」
「言った。ごめんね、怒んないでよ」
ケラケラと笑う彼女には、あの日聞いたような人物像からはかけ離れた溌剌さがあった。
少女というに相応しい。
年相応とは言い難い。
この時なぜか俺は、会ったばかりの川橋琴理に惹かれたのだ。