先輩、これって恋ですか?
「あ、でも、さっきのキスは謝るつもりないからね? だってあれ、春香ちゃんが悪いから」
それ、さっきも言われた。
けど全然意味が分からないんだよね…。
どうしてわたしが悪いってなるんだろう?
「ったくもう。春香ちゃんてば、ほんとに無自覚だよなぁ」
「あ、あの…?」
わたしに分かるように言葉を足してほしいなと思いながら先輩を見ると、「仕方ないなー」そう言った。
「さっきの体制覚えてる?」
「え…まぁ、はい。」
1分くらいしか経っていないし、あんなドキドキしたことを忘れる方が無理なくらい頭の中にはしっかりインプットされている。
智紘先輩は、「こうやって顎を持ち上げてる時にー」と言いながら、またさっきと同じポーズをとった。
そのせいで、治まりかけていたわたしの心臓がまたドキドキと騒ぎだす。