君の子守唄
「もしかしたら、答えなんてないのかもな。
みんながそれぞれ相手のことを思って、考えて。
それが上手く噛み合えば、正解するし………
また反対もあるけど…………。
何処かでまた正解にぶつかる。
無関心さえしなければ、なんとかなるのかもな。」

洋介らしい、のんびりと優しい回答だった。

「確かにそうだな。
その為に、こんなに大勢大人が集まってるんだもんな。
誰かの何処かが、寧々の気持ちにヒットするかもな。
だったら………………
指しゃぶりは、容認でいいのか?」

俺の質問に、彩先生が答えてくれる。

「一般的には、指摘したらダメだと言われてるの。
さりげなく楽しい方に誘って、指しゃぶりを忘れるようにするといいって。
寧々ちゃんは、安心して始めたみたいだから
少しなら様子を見てもいいけど………。
癖になってずっとしていたら、前歯が出てきたりして
歯並びが悪くなるから…………
出来たらやっぱり止めた方がいいかもね。
女の子だから、将来大変になるもんね。」

ゲッ!!

出っ歯になる?!

それは直ぐに止めさせないと!!

安心する癖なら、他を見つけるだろう。

この話しは、全員一致で止めさせようと決まった。

せっかく可愛いく生まれたのに、ワザワザ崩す必要はない。

咲も歯並びまでは知らなかったみたいで

『彩先生って、やっぱりスゴい!!』と感心していた。

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