運命の赤い糸の先には…
家に帰り着くと、そのまま自分の部屋に入りベッドに転がった。

何故だろう。彼の事が頭から離れない。結局、彼は私の事どう思っているか・・。考えれば考えるほど腹が立ってきた。

「もうっ中途半端な発言ばかりして~。何で私ばっかりモヤモヤしなきゃいけないのよ・・そうだ!」

私は1つ計画を立てた。月曜日に学校行ったらみんなの前で蒼介(アイツ)の名前を呼んで仲良しアピールしてやろう。目立つの好きじゃないって言ってたから私と噂になったら困るはず・・。

私はニヤニヤしながら月曜日になるのを待った。

月曜日 ーー

今日もしっかりギャルメイクをして元気に家を飛び出した。

朝の清々しい光を浴びて私は学校へ向かう。

「おっはよー。」

学校に着き教室へ入ると、何やら女子達が騒ついている。

「なんかあったの?」

カバンを机に置き、先に来ていた友達に声をかける。

「イケメン登場でみんな盛り上がってんのよ。隣のクラスの・・ほら美咲(アンタ)が前にぶつかったあの眼鏡君。髪型変えてイメチェンしたみたいなんだけど、彼イケてるよ。」

「マジか…。」

目立つの好きじゃないって言ってたのに。私は走って隣のクラスに行き、勢いよくドアを開けた。みんな驚いて一斉に私の方を見る。

「あ、美咲さん。おはよう。」

やっぱり蒼介だった。地味な眼鏡君から金曜日と同じセットした髪型で爽やかイケメンに変身していた。私に気づいた彼は笑顔で挨拶してきた。

「え~何々?美咲とどんな関係なの。」

周りの女子達が彼に質問する。

「どんな関係って…俺達ってどんな関係かな、美咲さん?」

私の方を見てニィッと微笑む彼。そしてクラス中のみんなが私に注目する。

「どんな関係って何の関係もないわよ。」

蒼介のやつ、私の反応を見て楽しんでいるな。困らせてやろうと思ったのに計画丸潰れだ。

「実は俺の片想いなんだ。美咲さんに振り向いてもらいたくて頑張ってイメチェンしたんだけど、まだまだ努力が足りないみたいだね。」

彼は手元に置いてる本をチラッと私に見せてきた。

『運命の赤い糸の先には』

1冊の本を元に私と蒼介は出会った。まるで運命のように…。

私の運命の赤い糸の先には蒼介(あなた)がいた…

なーんて悔しいから絶対言ってあげないんだからね!
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