ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Reina's  eye ケース17:繋げるツナガル



【Reina's  eye ケース17:繋げるツナガル 】


ナオフミさんが主治医である白川さんのカウンセリング。


彼女のご家族とも面談することにも着手し、ご家族の想いや戸惑いも聞き取りをしたことで
私自身も迷いながらの経過を辿った。
それでも、白川さんとご家族は手を取り合って手術という治療方法を選択することに至った。

手術決定イコールカウンセリング終了ではない。
でも、とりあえず、ひと段落。

ほっとひと息をつくため
そして
次の仕事も頑張ろうと自分を鼓舞するために屋上で過ごしている昼休みに白衣姿のナオフミさんが現れた。
彼お馴染みのメロンパンだけでなく、宇治抹茶ラテも一緒に。


ふたり並んで同じパッケージのメロンパンを食べながら
私のついうっかりの不用意な発言から間接キスの話に。

久しぶりに顔を合わせたのに
お互いに過去を探り合うことにまでなってしまって。

なんだか気まずい雰囲気に戸惑う私。

それなのにナオフミさんは
やや不機嫌そうに私へ渡してくれたはずの抹茶オレを奪い取り、ストロー先を私の口に向け、先に飲めと促してくる。

こんな彼は珍しくて
もうどうしていいのかわからない私は
彼の言うことに素直に従った。


せっかく彼が買ってくれた大好きな宇治抹茶ラテなのに味わう余裕すらもなくて。
ただただストローから抹茶ラテを吸い上げるしかなくて。

でも、さすがに一気飲みはできなくて
どうしようと思ったその時、

「・・・喉、渇いた。コレ、、貰う。」

ナオフミさんは私の口からストローを抜き出し、“口紅がついてしまう” という私の忠告もなんのそので抹茶ラテをあっという間に飲みきってしまった。


さっきまでの不機嫌さが嘘のように
眉を下げてかすかに笑った彼。

なんだか強敵に打ち勝って安堵しているボクサーみたいで

多分失礼にあたると思うけど
カワイイと思っちゃった・・・・

それだけじゃなくて
間接キスの味とか
ずっとドキドキしてるとか
・・・いつものクールな彼が紡いだ言葉によっても
彼がいつもの彼とは異なることが窺えた。


でもわかるよ
ナオフミさんの今のココロの中
私もついこの間、味わったから

おそらく不安なんだと思う
新しい治療方法に挑むことに対して・・・

でもね


「伶菜が繋いでくれたバトン、、ちゃんと受け取ったから。」

『・・・うん。』

「白川さん、俺も最善を尽くす。オペ(手術)で。」


ナオフミさんは有言実行できる人
絶対上手くいく

信じてる

私を信じて
白川さんのカウンセリングを託してくれたナオフミさんと同じように
私も彼を信じてる

私が頑張れたのも
彼も白川さんを必ず助けてくれると思っていたから

彼が傍にいてくれる
そう思うだけで私は頑張れた

だから
今度は私が傍にいるよ
役には立たないとは思うけれど

それでも今ぐらいは
私を感じて欲しい

私もアナタを感じたい
お互いにすぐ傍にいるって・・・・


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