ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Morimura’s study カノジョとアイツが辿りついたトコロ


【Morimura’s study カノジョとアイツが辿りついたトコロ 】 


*整形外科 森村医師目線



『秘書さん♪』

「私になにかご用でも?」

『ヤボ用ってとこ♪・・・日詠のおっさんにデスクの片づけまでやらされているの?産科は容赦ないな~。よかったらウチの科の秘書に来る?』

「いえ、たいしたことではないのでお気遣いなく・・・」



医局にある自分のデスクにいた俺。
俺と背中合わせの場所にある日詠さんのデスクの上に無造作に置いたままだった医学雑誌やノートパソコン。
それらを産科の秘書が机上を拭きながら片付けていた。


『日詠さん、見かけないけど、学会でも出かけた?』

「・・・いえ。奥様が出産された関係で。」

『はっ?オレ、それ、聞いてないし!!!! アイツ、オレ、立会いする気マンマンだったのに。』


椅子にかけてあった白衣もきれいにたたんだ彼女。


「立会いは無理ですよ。」

『はぁん?オレがいないとレイナは・・・力、出ないんだぞ!』

「立会いはご主人しか認められてないんですよ。それにもう出産されているんです。」

『じゃあ、無理だな・・・でも、お祝い届けてやらんとな。レイナ、楽しみにしてたしな。』




前日の夜から朝にかけて当直だったオレ。
当直明けで自宅に帰って寝ようかと考えていたけれど急遽予定変更。


早速、お祝いを届けに病院へ行くことにした。
そのためにまずは財布と車の鍵を持ってこようとロッカーのほうへ足を向けようとした時、

「森村先生。整形外科の秘書が “身体障害者手帳の意見書の記入が進んでいなくて困っている” とボヤいていましたが・・・・・彼女、怒らせると後が大変なのでは?」

『げおっ!!!、、、そういえば、病棟で抜糸しなきゃいけない患者がいたんだよなァ。』

「その旨を整形外科秘書に伝えておきますね。それでは。」


彼女は穏やかに笑いながら会釈をし、日詠さんの白衣を両手で抱えながらオレの前から立ち去った。

出産したばかりのレイナを労う気マンマンになったオレに
空気を読めと忠告してくれているような気がした。
だからオレなりに一応空気を読んでみた。



結果・・・・

出産直後はバタバタするであろうと
オレなりに気を遣い
それから2日間
自宅でダラダラしたり、病院で大人しく自分の仕事をしていた。


オレの背後にあるデスクは
産婦人科の秘書が片付けた時から何ら変化がなく
人が使った気配なんて感じられなかった。


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