僕はペットで離婚を決めました

 クリスマスまでには恋人をと願っていた謙と、意気投合してクリスマスイブに告白したところ、OKをしてくれた美奈。

 そして1年後には同棲を始めた。


 美奈の両親は厳しく、結婚前に子供は作るな! とキツク言われていたため、そこ辺りはとても気を付けていた。

 だが美奈が「20代のうちに子供を産みたい」と言い出した事から、結婚に進んだ。

 結婚式はしなくていい、入籍だけでいいからと美奈が言い出して「その代わり、犬が飼いたい」と言い出してこの流れになった。


 可愛いチワワの小太郎が一緒で、美奈はとてもご機嫌。

 謙は皆が喜ぶならと、一緒に喜んでいる。






 夕食になり。

 今夜は引っ越し祝いも兼ねて、お蕎麦と天ぷら。


 
 食卓で謙と美奈が夕食を食べている。


 そんな傍に小太郎も一緒にいる。

 犬用に小さな子供が座る幼児用の椅子を用意して。

 
 小太郎の前には、ドックフードとお水、犬用のお肉が置いてある。




「ワン、ワン」

 小太郎が美奈に向かった小さく吠えた。

「どうしたの? 小太郎。もしかして、お蕎麦食べたいの? 」


 小太郎は欲しそうにペロっと舌を出した。


「そっか、小太郎も一緒にお祝いしてくれるのね。はい、どーぞ」

 
 美奈は小太郎に蕎麦をちょっとだけ、お皿に入れて食べさせた。


「へぇー・犬って蕎麦食べてもいいの? 」

「うん、ネギ類はダメだけどね。ちょっとくらいなら、いいと思うよ」

「ふーん」


 至って平和な食事のひと時。

 犬が食卓に一緒にいるのはどうかと思われるが。

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