Sync.〜会社の同期に愛されすぎています〜

時刻は、夜の11時だった。
俺が寝室へ向かうと、翠は静かに後ろについて来た。

(そんなに緊張されると、俺も緊張するんですけど・・・)

間接照明を淡い光に変えた。歴代の女たちは大体「電気を消せ」と言って来たし、煌々とライトがついているのは俺もあまり好きじゃない。
同じベッドに入ると、洗い立てのシャンプーのいい香りがして俺の理性が飛びそうになるのを必死で抑える。

「ごめんね・・・処女ってめんどくさいんでしょ?」

「なんで?どうして?」

「うん。なんかので見たの」

「そう言う変なネットの記事みたいなの真に受けんなって。俺は翠が処女でやった~~って思ったよ。
最初で最後の男になれるから・・・」

緊張が抜けたのか、ふっと笑った翠が可愛くて堪らなかった。
誰にも邪魔されない二人だけの空間で、今までで最も長いキスをする。

今日この瞬間に辿り着くまでに、何回翠のことを考えてきただろう・・・

ここから先、俺が知るのも怖い。
知ってしまったら、もう抜け出せなくなってしまいそうだ。


「翠・・・愛してるよ・・・」

「うん・・・私も・・・」

甘ったるすぎて、幸せで苦しすぎる現実に。







「初めてが瀬戸口でよかったよ・・・」

「ベッドの中でも苗字で呼ぶんだ。さみし~~~」

「ごめん・・・・あれ・・・下の名前なんだっけ」

「おいっ泰生だわ」

「ごめん。泰生・・・」

「うわ・・・呼び捨てキュンとする」

翠を自分の腕の中に引き寄せて腕枕をする。
簡単に腕の中に入ってしまうほど小さくて、柔らかい。
いつまでも抱いていたい。

毎日、こんな風にそばにいられたらいいのに・・・


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