いつか、きっと。
いつか、きっと。

「明日美、もう身体大丈夫?無理せんごとね」

「うん、大丈夫!一週間も休んでしもうたけんバリバリ働かんばね。じゃ、行ってきまーす」

お母さんに見送られ、久し振りの出勤。

身体はもう本当に平気だし、休ませてもらった分頑張らないと。

まだ心の傷はズキズキと痛むけど、いつまでも落ち込んでいる訳にもいかないし。

家を出てバス停まで歩くのも久し振り。

今日は気合いを入れていつもより早いバスに乗るつもりだ。

友也ともし顔を合わせることになったら気まずいというのが正直なところだけど……。

たまたま出勤時間が合う時は、友也の車に途中まで乗せてもらったりもした。

"助手席は指定席"みたいな気分でいた自分の事を虚しく感じてしまう。

「私も車の免許、取ろうかな……」

前にそんなことを友也に言ったら

『危なっかしくて運転とかさせられん』

なんてダメ出しされたっけ。

『助手席で我慢しとけ』

なんてさ……。

あの時、友也はどんな気持ちでそんな台詞を私に言ったのだろうか。




「おはようございます!長期間休んでしまい、申し訳ありません…………って……あれ?」

会社についてまず挨拶を、と張り切ったけど。

誰も聞いていないようだ。

「あ、あのー。課長、おはようございます。どうしたんですか、朝早くから皆さんフル稼働って感じですが……」

「お、生田!やっと出てきたな。丁度良かった、早速だけど頼みたい事があるんだ。ちょっと来てくれ!」

挨拶もそこそこに、課長に別室に連れて行かれ作業に取り掛からなければならなくなった。

先週からインフルエンザで休む人がチラホラと出始め、私もその流行に乗っかってしまった一人だった。

その後、罹患する人が続出して人手が不足している状態らしい。

そう言えば瀬名くんの姿も見えないけど……。

もしかしたら彼も今、苦しんでいる真っ最中なのかも?

「あの、課長!瀬名くんもインフルエンザで休みですか?」

「瀬名?ああ違う違う。アイツはここにはおらんけどピンピンしとるはず」

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