いつか、きっと。

友也だけでなく、私には向き合わなければならない人がもう一人いる。

未来……。

約二ヶ月前、ファミレスで話して以来会っていない。

電話やメールも当然ない。

本当なら先に友也と話してから、未来に連絡しようと思っていた。

しかし友也に今日は会えないのだから、予定変更は仕方がない。

土曜日で未来も仕事は休みだろうけど、最近疎遠になってるから休日にどう過ごしているのか全く分からない。

今日は友也と会ってる訳じゃないことくらいしか……。

そうか、友也と未来が会わないと分かっている今日だからこそチャンスかも。

未来の都合が良ければってことになるけど、迷っている場合ではない。

帰宅するために乗ったバスの中で考える。

このバスは私が住んでいるMアパートの最寄りバス停を過ぎると、未来の家の方に向かうのだ。

このままこのバスで未来の家に行こうか。

しかし、ここは慎重に行った方がいいかも。

だって未来が今家にいるのかどうか私は知らないんだし。

結局未来の家に突撃するのはやめにして、自分の家まで帰ってきた。

時刻は午後四時過ぎ。

お母さんはまだ帰ってきていない。

ランチ会で盛り上がって、お茶でもしながら楽しくお喋りしているんだろう。

誰もいない方が電話をかけやすいから、お母さんが帰ってくる前に未来に電話をしてみよう。

私が電話したら未来はどう思うんだろう。

私からだと分かったら出てくれなかったりして。

もしそうなら、電話する意味あるのかな。

ダメだダメだ!

また実行する前から色々とやめる理由を探そうとしてる。

今までそうやって色んなことから逃げてきた。

また同じことを繰り返そうとするの?

私はもう逃げないと決めたはず。

失敗してもいいじゃない。

何もせずに後悔するよりずっといい。

よし、今のうちにさっさと携帯の電話帳から未来の番号を探し出す。

この発信ボタンを押したら、もう後には引けない。

呼び出し音が耳だけでなく心臓にまで響いてくるような気がした。

一回……二回……三回。

このコールがいつ途切れるのか。

それとも永遠に続くのか。

四回……五……。

プツッと途切れた呼び出し音に緊張が高まる。

『…………明日美?……明日美っ!?』

久し振りに耳に届いた未来の声。

「未来……突然電話してごめん。いま大丈夫?」

『明日美、ごめんね。私も電話したかった。でも、なんて言えばよかとか分からんで勇気出せんやった。明日美に聞いて欲しかことのあっと……』

未来、どうしたんだろう。

私が予想していたのとは全く違った感じの声だった。

『明日美、本当は今すぐ会いたかとけど、これから家で話し合いっていうか……。私、もうどうにかなりそう。どうしたらよかと?』

「未来?ちょっと落ち着いて!なんのあったか知らんけど、ゆっくり落ち着いて話して。ちゃんと聞いとるけん」

すごく動揺して声が震えている。

その頼り無げな声は、あの時とは全然違っていて、私も戸惑いを隠せなかった。

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