課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
「へー、顔が……。
 他には?」

 彼女は少し考えたあとで、小首をかしげながら、
「そうですね。
 ぱっと見た感じとか」
と言ってきた。

「それ……、全部、外見の話だよね」

 かなり残念なお知らせだね、と言うと、
「だって、まだ、ちゃんとお話もしてませんし。
 よくわからないじゃないですか。

 それに、顔が好きって言うのもいいと思いますよ。

 だって、顔って、年齢とともに、性格が出てくるって言うじゃないですか」
と彼女は言ってくる。

「君、昨日、僕のこと、見るからに悪いヤツな感じの顔してるって言ってたよ……」

「そうでしたっけ?
 じゃあ、私、そういう人が好みなんですよ」
と彼女は可愛い顔して、しれっとそんなことを言ってくる。
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