不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「俺さ、あの人が浮気するなんて思えないんだよな。

あんなに蓮見に執着して独占欲丸出しでさ、他の女となんて信じられないし信じたくないんだ。

だからさ、蓮見、お前も信じろよ。

香田さんのこと」


田端の力強い言葉に信じたい気持ちはあるものの、自分に自信がない私は不安でしかたがない。

「信じていいのかな…」

ぎゅうっと握りしめた両手は震えていた。

「着いた。このマンション」

ほどなく到着したマンションの前で、勢いで来たものの香田さんと会って事実を突きつけられることが怖かった。
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