不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「お疲れ様です」

香田さんは目を細目ながらドアを開けて

「お疲れ。乗って」

と私を助手席に促した。

「何が食べたい?」

狭い密室での二人きりは、私の心臓をうるさいくらいに騒がせる。

朝だって片瀬さんの車に乗ってしまったけれど、こんなに緊張もドキドキもしていない。

不機嫌で無愛想なツンな香田さんを見慣れている私は、隣の甘いイケメンにメロメロだ。


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