不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
喧嘩した翌日、香田さんはこれみよがしに、昼休憩中いつもなら冷たくあしらっていた生命保険のお姉さんと談笑していた。

めったに笑わない香田さんが見せる笑顔に、お姉さんが釘付けになりメロメロなのがみてとれた。

私と目があった香田さんが鼻で笑い、むっとした私はむくれてすぐに目を反らした。

「蓮司のバカ…」

今日は恒例の同期メンバーでの忘年会。

「とことん飲んでやるっ!」

私たちの喧嘩はどんどんヒートアップしはじめ意固地になった私は、謝るものかともはや喧嘩の原因もわからなくなっていた。
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