あたしを知らないキミへ
7 嫌いになれなくて
「恵美加ー」
「なにー?」

お母さんに、そう呼ばれて下に降りたら、

「買い物お願いできる?」

そう言われた。

「マジで?」
「マジで。夕ご飯の野菜を買ってきてほしいのよ」
「・・・」
「お願いできるー?」

半ば境石的にメモをあたしの手に握らせたお母さん。
この場合、断りたくても断れないのがオチ・・。
お母さんからお小遣いをもらって、半ば嫌々あたしは外に出た。

「いってらっしゃーい」
後ろから呑気なお母さんの声が聞こえた。
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