あたしを知らないキミへ
「・・加!恵美加!もーボーっとしすぎ!」
「あーごめん。で、なんだっけ?」
「恵美加がボーっとしてる理由だよ!なんかあったんじゃないの?」
「あーそれか」
「うん。それだよ!」
「別にどうこうとかじゃないんだけど・・。ただ昨日サキの散歩してた時に、たまたま見かけた男に・・うん。まぁ・・あれだよ・・」
「うん?」
「だから・・その。あーー!もーめんどくせー」
あたしは、そのまま自分の髪の毛を掻いて下を向いた。
多分・・今自分の耳めっちゃ赤くなってる気がする。
こんなの初めてだ。