今夜23時、ベリーズカフェで。


「・・・寝た?」


「うん。じゃあ行ってきます。」


「・・・いつまで続けるの?」


「・・・・・・・・・・・。」


息子との第1ラウンドを終えると・・
次は母との第2ラウンドのゴングが鳴る。


鞄を持って玄関へと向かう私の前に、
お母さんが立ち塞がった。



「エミカ。もし保育園のお母さん達に、

“コウちゃんのお母さんはガールズバーで働いている”

なんて知れたらどうするつもり?」


「バレないようにやってるから大丈夫。」


「子供を甘く見ないでちょうだい。

コウちゃんだってすぐに・・“自分のお母さんが夜の店で働いている”って・・

それがどういう事なのか理解するんだからね!?」


「だから・・!
ガールズバーの何がいけないの?

キャバクラじゃないんだよ?

ただお酒を提供して、ついでにお客さんとちょっと話すだけなんだからね?

夜の仕事の何がダメなの?

居酒屋で働いている人だって、ビルの警備員だって“夜の仕事”じゃない!?」


「またそういう屁理屈を・・。

いい?私は早くコウタの為にもまともな仕事を・・。」


「・・行ってきます。」


「あ、ちょっと待ち・・エミカ!」


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