クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

「いや、どっちかというと、スモックを着た幼稚園児みたいだな」

 そんな感想に、思わず頬を膨らませる。

「よ、幼稚園児ってひどいです……!」

「冗談だよ。すごくかわいい」

 私がむきになると部長は笑みを深くしてそう言った。
 そんな優しい表情をするのはずるい。怒っていたはずなのに、ときめいてしまうじゃない。

「じゃあ、次は食器や調理器具を見に行くか」

 私がすねている間にさっと支払いを済ませた部長がそう言う。

「あ、お金払います」

 気付いてバッグからお財布を出そうとすると、部長は「いいよ」と首を横に振った。

「でも……」

 戸惑う私に部長は小さく笑う。

「社長や真一ほどではないけど、俺もちゃんと稼いでいるから」
         

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