私の想い、キミの隣。
全てのボールを投げつけ、ひとつも当たらずにため息をつくと私の片づけを手伝ってくれていた1年生の後輩部員が苦笑いしながら言う。


『ほんと今日もお疲れ様です七嶋マネージャー(笑)』

『ほんとだよ…なにが悲しくてあいつの相手しなきゃいけないの…』


視線をヤツに送るとすでに別の部員とボールを片付けていた。


思えば突然飛び出して驚かせたり、ボール当ててきたり、教科書忘れると別クラスの私の教室まで来て勝手に取っていったりとか…(しかもたまに返すの忘れるから私の授業時間になくて怒られたこともあるんだよね…)

思い出しただけでも腹立ってきた…

転がってきたボール片手にヤツの後頭部を狙う。


『ま、まぁまぁ落ち着いてください…!そういえば宮野先輩とはいつからあんな仲がいいんですか?』

『別に仲良くない…!…そもそもアイツとは小学校から同じだけどまともに喋るようになったのは去年、私がバレー部マネージャーに入った2年生の時からだよ。』

『そうなんですか!?てっきり幼馴染…いやもはやもう付き合ってるのかと!(笑)』

『そなわけないでしょ!?有り得ない…!』


確かに玲と仲は悪くない。結構いい方だと思う。


けど!あんなやつと付き合うとか…それだけはむしろお断りだし…


なのに顔が良いからムカつく…たまに体育館に玲を見に来る女の子くるし…。


でも私はあんなヤツよりもっと紳士で優しい人を彼氏にするんだから…!!



そんなことを考えているとー

『おーい、玲、葉月』
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