@YUMI KO
「ああああああ!」


穂香の腕がスマホの中に入って行く。


それは途中でつっかえ、それでも無理矢理引っ張られ骨が砕けて肉が裂ける。


そしてまた引きずりこまれ、つっかえたら骨が砕け血しぶきが舞った。


それを何度も何度も繰り返した。


いつの間にか穂香の悲鳴は消えて、外の小鳥のさえずりが聞こえてきていた。


そして部屋の中は何事もなかったかのように静かで、穂香の血と涙も消え失せていた。


あれほど鳴り響いっていた3台のスマホも、跡形もなく消えていたのだった……。


唖然としてその場に座り込んでいると、部屋にノック音が聞こえて来た。


あたしは返事もできず、ただ視線だけとドアへ向ける。


「ナナカ~、朝よ?」


そう言いいつも通りのお母さんが顔をのぞかせたのだった。

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