@YUMI KO
「ヒッ!」


自分にしか聞こえないような小さな悲鳴が漏れた。


視線の先にいる白いワンピースの女はずっと俯いたまま立っている。


さっきまで確かにそこには誰もいなかったのに……!


ワンピースには赤い模様がちりばめられていて、そこから出ている手足は異様なくらい細くて白い。


コレは、生き物ではない!


咄嗟にそう感じた。


目を合わせちゃいけない。


今すぐここから離れないといけない。


そう思えば思うほど足は頑なに動かなかった。


視線を女から外すことだってできなかった。


あたしはエマの手をきつく握りしめる。


そして次の瞬間女がバッと顔を上げた――…。


「はっ!?」


大きく息を吸い込んで目を覚ました。
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