極上旦那様ととろ甘契約結婚
その言葉と同時に私を抱きしめていた手が不埒な動きでつぅっと背中を撫であげ、予想外の動きにぞわりっと感覚が蠢いて変な声が出た。

「ひゃっ!?だ、駄目ですよ!ここ、よそのおウチなんですから」

さっきまでの凪いだ空気が嘘のように心臓が慌て出す。抱き込まれたまま、小さな可動域で必死の抵抗をしたら、修吾さんはクスクスと笑いながら更に抱きしめてきた。

「駄目な理由、場所なんだ。それって俺は拒否してないって言ってるのと同じだけど?」

「へ?え、あ、いや、そんな……あの、違って……」

「じゃあ俺は嫌?」

「ーーー嫌って訳じゃって言うか、あの、それは、そのぉ……意地悪」

「ごめん」

そう言ってゆっくり拘束を解いた優しい手は、私の両頬を覆って上を向かせる。

< 116 / 133 >

この作品をシェア

pagetop