極上旦那様ととろ甘契約結婚
「えぇっ!?あ、あの……え?」

対応出来なくて、理解出来なくて、わたわたとする私を置いて、修吾さんはダイニングテーブルに戻ると朝食を食べながら、思い出したように口を開く。

「話は帰ってからしよう。だから考えておいて?」

トーストを咀嚼する隙間に聞こえてきた言葉の意味が分からない。

「ーーー話、ですか?あの、それは昨夜のその、あの、キ」

ス、とは言いにくい。いや、もしかしたらあれは彼の中ではキスに入らないんだろうか?もしかして治療、的な。だってほら、傷は舐めたら治るって人もいる。

「成美、違うよ」

しりすぼみになった私の言葉で思考を察してくれたらしい。笑いを含んだ声で訂正してくれた修吾さんはすっかり冷静さを取り戻しているみたいで、なんだか悔しい。

「夕飯の後に約束した週末の話だよ。行きたい場所のリクエストがあったら考えておいて欲しいと思って」

「あ、リクエスト……」

「うん。今日も遅くならないと思うから、夕飯の時に相談しよう」

「はい」

私の返事に微笑んで出勤していった修吾さんはその夜も上機嫌のままに話の主導権を握り、週末の予定を彼の望む方向へと上手く誘導したのだった。
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