極上旦那様ととろ甘契約結婚
どういう事ですか?
タクシーを降りて目の前のやたら重厚な門構えを開ける覚悟を決める直前、門は内側からすらりと開いた。

「早かったのね、良かった。さ、入って、成美さん」

「はい。おじゃま、します」

自己紹介は省略するようだが、親しげに案内してくれるのは間違いなく満島あゆみさんだろう。
切れ長の瞳に羨ましい程に長い睫毛はかなりクールで修吾さんにどことなく似ている。でもメイクは全体的薄付きなのにオーバーリップ気味な赤い唇紅がぽってりしてるせいで感情豊かな印象だ。ダークブラウンの髪にハイライトを入れていた髪は毛先だけ大きなカールを描いて揺れている。修吾さんの髪はサラサラだから巻いているのだろうか?

先導されるままにだだっ広い玄関から立派な廊下を進んでいく。外観同様、中も純和風らしい。

「母屋はお爺様の趣味でこんな感じなんだけどね、私達が普段暮らしてる離れは完全なる洋風なの。今度遊びに来てね」

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