君の描いたクローバー〜遠く離れても、きっと〜
「この絵、お前にやるよ。いつか渡そうと思ってこっそり描いてたんだ。クローバーの花言葉は幸運。お前が元気になれるように描いた」

「工くん……」

「俺はな、何年でもお前のこと待ってやるよ!それでも帰って来なかったら俺がそっちに会いに行ってやる!だから、生きろ!!治療しろ!!」

泣き出しそうな顔で言う工くんを見て、私はギュッと拳を握る。頰に温かいものが伝って、目の前がぼやけて絵が見えないよ……。

「帰って来たら、また美術館に行ってくれる?」

泣きながら私は質問する。工くんは「もちろん!」と頷いてくれた。

「わがまま聞いてくれる?」

「当たり前だ!」

「手紙をくれる?」

「何通でも書いてやるよ!」

工くんは優しい笑顔で私を見つめてくれている。それがとても温かくて、さっきまであれだけあった不安が消えていくんだ。

「工くん!!」

私はベッドから降り、私よりも背が高い工くんを抱きしめる。工くんも抱きしめ返してくれた。

工くんがくれた絵は、きっと私の一生の宝物になるんだろう。どんな宝石よりも輝いて、私の生きるための力になってくれる。

私は、工くんのために絵を描こうと決めた。
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