ずっと一緒にいてね?

「…おーい、お二人さん。俺のこと忘れてね?」


その声で後ろを振り返れば、一人ポツンと所在なさげに立つ雅がいた。


「あ、雅ごめんね…!忘れてた…!」


私がそう言うと、あからさまに落ち込む雅。


私はそんな雅を見て雅の元へ駆け寄ると、ギュッと抱きつく。


「…ごめんね?もう忘れてないから拗ねないで…?」


コテンと首を傾げながら雅を見つめると、たちまち雅の顔は真っ赤に染まった。


赤くなった理由は謎だが、顔の赤くなった雅は可愛い。


「…話の途中で邪魔しちゃってごめんね?私は史華ちゃんとお話終わったから、雅もちゃんとケリつけて来て?」


と私が言うと、可愛い雅からかっこいい雅に変化した。


「ああ。ちゃんとケリつけてくるよ。」


雅は私の頭を撫でながらそう言って、史華ちゃんの方へ歩いていった。
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