こんなにも愛しているのに〜それから
三谷は故郷に帰って
母校の数学の教師になると言い、
加藤は知り合いのカフェで働いて
自分でカフェを開業すると言っていた。
そのために夜間の学校にも
通っていたらしい。

二人とも
本当になりたい自分になって行く。
俺はどうだろう。
会社を辞めたものの
これからは
自分を活かす道を探さなくてはいけない。

それよりも
茉里とのこれからを第一に
考えなくてはいけない。

その日は結局
俺の退職祝いと言いながら
前途洋々な?二人のこれからのことに
話が終始した。

駅で別れ際

「室長は、少々女難の相が
出ているようですから
気をつけてくださいね。
奥様に愛想を尽かされないように。」

何も知らないはずの加藤の餞別の言葉に
俺は苦笑するしかなかった。

愛想
尽かされているんですよ。

と心の中でひとりごちながら
無機質なウィークリーマンションに
帰って行った。
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